【開発日記・連載中】AIと本気で「稼ぐ自動売買Bot」を作ってみた(毎週更新)

- 1.AIとゼロから自動売買Botを開発中。この記事は毎週、進捗を追記していく連載日記です
- 2.きれいごと抜き。含み損-14%、バックテストの罠、Bot暴走…失敗も全部そのまま書きます
- 3.最新の状況は記事のいちばん下(Dayの数字が大きいほど新しい)にあります
この記事は「完成した読み物」ではなく、進行中の“開発日記”です。AI(Claude Code)に『自動でお金を増やすBotを作って』とお願いしたら、どこまでいけるのか——その過程を、Day 1(開発開始)から順に、リアルタイムで追記していきます。うまくいった日も、盛大に転んだ日も、隠さず書きます。プログラミング未経験でも楽しめるように書くので、AIで何かを作ってみたい人はブックマーク推奨です。
上から時系列(Day 1 → 最新)に並んでいます。いちばん下が最新の状況。毎週、新しい「Day」が下に追加されていきます。数字の記録は淡々と、事件が起きた日は熱く。そんな温度差も含めて楽しんでください。
Day 1(開発開始):下心から始まった
きっかけは、しょうもない下心でした。「最近のAI、コード書けるらしいやん。じゃあ自動で稼ぐBot作ってもらえば、俺、働かなくてよくない?」——はい、この時点で人生ナメてます。でもAIに『月利15%を目指す自動売買Botを作って』と打ち込む指は、希望に満ちていました。数分後、AIはそれっぽいBotを書き上げます。天才か。この時の私は、まだ何も知らなかった。
「AIに頼めば楽して稼げる」は幻想。正しくは「AIに頼めば、失敗を超高速で経験できる」。稼ぐ前に、まず千本ノックが始まります。
Day 3:Botが暴走した夜
意気揚々とテスト環境(デモ=おもちゃのお金)で動かした結果——Botは同じ注文を無限に連打し始めました。画面には『エントリー!エントリー!エントリー!』の文字が滝のように流れ、資産は静かに-14%。Botに悪魔が憑いていました(正体はバグ)。

学んだのは、AIが書いたコードも最初は間違えるということ。違ったのは、原因を伝えると数秒で直すこと。『注文が通ってないのに通った判定になってる』と伝えたら、『たしかに。取引所の返事を確認せず先走ってました』と、反省する後輩のように直してくれました。かわいいやつめ。
Day 8:バックテストという名の甘い罠
バグを直し、『過去のデータで試す(バックテスト)』へ。ここで衝撃の数字が出ます。『年間+400%』。ガッツポーズ。もう勝ったと思いました。ベンツの色を選び始めました。
……が、AIが静かに言いました。『その数字、1時間ごとの粗いデータです。もっと細かい1分ごとで計算し直すと——月+3%、コインによっては赤字です』。ベンツが軽自動車になりました。

『一番いい数字が出る条件』を探し始めた瞬間、それは分析ではなく自分を騙す作業になる。都合のいい結果ではなく、一番現実に近い(つらい)数字を信じる。投資に限らず、あらゆる意思決定に効く教訓でした。
Day 12:戦略ジプシーと、パソコン就寝問題
『上がりそうな時に買う』作戦ダメ。『下がりすぎたら逆に買う』作戦ちょいマシ。『上下どっちに動いても網で稼ぐ(グリッド)』作戦——お、これは相場が荒れてる時に強いぞ。運命の相手を探す婚活のように、戦略を取っ替え引っ替えしました。
- トレンド追従:勢いに乗る作戦。だましが多くて往復ビンタをくらう
- 平均回帰:行きすぎたら戻るを狙う逆張り。レンジ相場では機能した
- グリッド:価格帯に網を張って上下の揺れを刈り取る。今回の本命
さらに新たな敵が出現。自分のパソコンです。ノートを閉じるとBotも一緒に寝る。夜中にチャンスが来てもBotはスヤスヤ。『24時間働くはずのBotが、私の睡眠に合わせて休む』という本末転倒に、何度もBotを叩き起こしました。
Day 14:Botを東京へ引っ越しさせた
パソコン就寝問題の解決策は、月700円ほどの『クラウドサーバー(VPS)』。東京にある小さなコンピュータを借りて、そこでBotを動かす。これで私が寝ても、パソコンを閉じても、Botは東京で健気に働き続けます。ようやく“本当の24時間稼働”に到達。ここまで長かった。

24時間動かしたいものは、24時間起きている場所に置く。当たり前だけど、これに気づくまで何度もBotを叩き起こしました。
現状の成績は、デモ(おもちゃのお金)ではプラスで推移中。ただし正直に言うと、デモと本番はまったくの別ゲームで、本番は成績が必ず下振れします。だから『これで稼げます!』とは口が裂けても言えません。そして白状すると、うまくいった数字の大半は『相場がたまたま良かっただけ』。本当の実力は、相場が悪い時にどうなるかを見て、やっと分かる。だから今も、淡々とデータを集めている最中です。夢は見つつ、足元は冷静に。
Day 15:レバレッジを上げたい私 vs 数字を出すAI
デモの調子が良いと、人は欲を出します。私も出しました。「レバレッジ(てこ=少ない資金で大きく張る仕組み)を10倍にすれば、儲けも2倍やん?」。夢が膨らむ私に、AIは黙って数字を突きつけてきました。この日のやりとりが、あまりに“AIと開発する”感じが出ていたので、そのまま載せます。
AIの一番ありがたいところは、こちらが浮かれている時に『いや、数字を見ましょう』と冷や水をかけてくれること。人間だけだと『いけそう!』の勢いで大金を失う。相棒が数字で殴ってくれるのは、実はすごく心強い。
▼ ここから下に、最新のDayが追記されていきます
この日記は現在進行中です。次回以降は『デモと本番はなぜ違うのか』、そして毎週の“Bot成績レポート”を、ここから下に足していきます。更新をお楽しみに。
週次レポート(2026-07-02)
【2026-07-02 時点の成績】運用開始(約1,000 USDT)に対して、 現在の総資産は 1,139 USDT(+138 USDT / +13.8%)。 直近1週間の約定はおよそ500回、現在5銘柄を保有中(含み損益 +8.2 USDT)。 これはデモ(練習用の資金)での数字で、本番はここから下振れします。 数字が良くても浮かれず、相場が悪い時にどうなるかを見続けます。
週次レポート(2026-07-05)
【2026-07-05 時点の成績】総資産は 1,180 USDT(運用開始の約1,000 USDTに対して +18%)。 保有5銘柄はすべてプラス圏、グリッドの“往復成立”は累計294回、約定はのべ約540回。 含み損益は +4.9 USDT。 そして日次の最大ドローダウン(最大の落ち込み)はわずか0.1%前後で、Botの強制停止ライン(安全装置)にはかすりもしていません。 エラーもゼロ。東京のクラウドで、今日も5分おきに健気に心拍を刻んでいます。
……が、ここが大事なので正直に書きます。 ドローダウンが0.1%と極端に小さいのは『Botが優秀だから』ではなく、単に“まだ本当の暴落を食らっていないから”です。 グリッドの真の実力は、相場が大きく崩れた時に初めて分かる。 しかも今週は途中で相場が凪いで、価格が動かない時間帯は往復がピタッと止まりました。網を張っても魚が通らなければ獲れない、というやつです。 そして毎度おなじみの但し書き——これは全部デモ(練習用のお金)です。 本番は約定の渋さや手数料でもっと厳しくなります。 だから今週も『稼げます!』とは言いません。淡々とデータを積むのみ。
『成績が良い=優秀』とは限らない。まだ試練(暴落)を受けていないだけ、ということがある。良い数字ほど、その裏側(なぜ良いのか)を疑う。これは投資に限らず、あらゆる判断で効く考え方です。
Day 16:AIに『このBot、本当に良いの?』と正面から聞いた
デモ(練習用のお金)の残高は +20% になっていました。正直、ちょっと浮かれていました。 でも、ふと怖くなって、相棒のAIに一番聞きたくなかった質問をぶつけます。 『このBot、本当に“良い”の?』。 返ってきたのは、耳の痛い現実でした。
AIはまず『バックテスト(過去データでの検証)を、ちゃんとした細かさでやり直しましょう』と言いました。 ここで衝撃が走ります。1時間ごとの粗いデータでは『最高の月は+62%』。 ところが同じ期間を1分ごとの細かいデータで計算し直すと——なんと『-6%、しかも5銘柄中4つが強制ロスカット』。 同じ相場、同じ設定なのに、データの“粗さ”だけで天国と地獄がひっくり返ったんです。
バックテストは『データの細かさ』で嘘の大きさが変わる。粗いデータほど夢を見せる。良い数字が出たら『なぜ良いのか』を一番厳しい条件で疑う。都合のいい数字は、たいてい自分を騙している。
Day 17:『レバレッジ上げれば勝てるやろ』は、やっぱり幻だった
ほぼトントンと知ってなお、欲深い私は言いました。 『じゃあレバレッジ(てこ=少ない資金で大きく張る仕組み)を上げて、一発デカく狙えば?』。 AIは黙って1分足で計算しました。結果——レバを上げるほど強制停止が急増し、8倍では30回中25回も途中退場。儲けはむしろ減りました。 レバレッジは『勝つ理由』を生まず、揺れとロスカットだけを大きくする。攻めの正解はレバUPじゃない、と数字にまた殴られました。
ここで、私の考えを正直に書きます。 このBotに使っているのは、無くなっても生活に困らない“余剰資金”です。だから私は『守り』より『攻め』を選びました。 ただし——闇雲にレバを上げる攻めは、今見た通りただの自滅。 AIと相談して出た“賢い攻め方”はこうでした。グリッドが一番稼ぐのは値動きの激しい銘柄。なら、最も暴れるコイン1つ(PEPE)に資金を集中する。 バックテストでは、5銘柄に薄く分散した時の月+2.6%に対し、PEPE集中は月+15.8%。上振れが跳ね上がりました。
『攻めていい』と『何も考えず賭ける』は違う。失っていいお金で攻めるのは自由。でも“攻め方”を間違えれば、ただ早く溶けるだけ。攻めるほど、検証はより冷静に。
週次レポート(2026-07-10・PEPE集中に転換)
【2026-07-10 時点】5銘柄グリッドから、PEPE1点集中の“攻め”グリッドに切り替えました。 総資産は約1,200 USDT(デモ=練習用のお金)。 切替から約2日、PEPEが緩やかに上昇したため、グリッドは売り上がったショートに小さな含み損を抱え、現在わずかにマイナス(-0.7%前後)。 最大ドローダウン(最大の落ち込み)は約1%で、強制停止ラインには遠い安全圏。 エラーはゼロ、Botは自己修復モードで無人稼働中です。
正直な現在地:グリッドは『価格が上下に振れる』と稼ぎ、『一方向に走る』と含み損を抱えます。 今はPEPEがダラダラ上げたので、後者。まだ2日、判断は早計です。 PEPEが本当に荒れる日を挟んで、集中の真価が出るか——そこを冷静に見ます。 集中させた分、これから値動きは上にも下にも激しくなります。 相変わらず『稼げます』とは言いません。攻める、でも数字には正直に。
Day 18:『勝率100%・月8%』のBotは、実在する。ただし——
ときどき聞きます。『勝率100%の自動売買、1年間ずっとプラス、月8%』。 私は正直うらやましくて仕方なくて、AIに『同じものを作れないか』と頼みました。 結論から言うと——作れました。あっさりと。
仕組みは『ナンピン』と呼ばれるものです。 値下がりしたら買い増し、さらに下がったらもっと買い増す。平均取得価格を下げて、少し戻ったところで利益確定。 負けを確定させない限り、負けは記録に残りません。だから勝率は100%になります。 検証すると、実際に895勝0敗。好調な月は+27%。月8%どころではありませんでした。
では、なぜ私はこれを本番で使わないのか。 同じ検証の中で、2025年9月に5銘柄すべてが証拠金全損していたからです。トータルは月-22%。 勝率100%を保ったまま、口座だけが消える。それがこのロジックの正体でした。
『勝率100%』は強さの証明ではなく、負けを確定させない設計の副作用であることがある。数字を見るときは、何が書いてあるかより『何が記録されていないか』を見る。
Day 19:犯人は『手数料』だと思っていた
ここまでで、私のグリッドBotの成績はほぼトントンでした。原因は取引コスト——そう結論づけていました。 1回の取引に0.05%のコストを乗せると、どの設定も赤字に転落する。数字はきれいにそう出ていたのです。 ところが今回、その前提そのものを疑ってみたら、足元から崩れました。
このBotは『指値』——自分で価格を指定して並べておく注文しか使いません。 指値は、約定するときは必ず自分の指定価格です。だから『滑る』ことが原理的に起きない。 手数料も実測で0.02%。では、上乗せしていた0.05%は何だったのか。 ——根拠のない、なんとなくの安全マージンでした。すべての結論が、その曖昧な数字の上に乗っていたのです。
手数料0.02%だけで計算し直すと、月+26.9%。 一瞬、心臓が跳ねました。
Day 20:真犯人は『注文が、そもそも約定しない』ことだった
舞い上がった私に、AIは言いました。『喜ぶ前に、もう一つだけ確かめさせてください』。 それは『約定の判定』でした。 これまでの計算は、価格が自分の注文に少しでも触れたら必ず約定する、という前提で動いていたのです。 現実の市場では、そうはいきません。注文は行列に並んでいて、価格が一瞬かすっただけでは自分の番は回ってこない。
そこで条件をひとつ変えました。『触れたら約定』ではなく『はっきり通り抜けたら約定』。 たったそれだけで—— 月+23.7%が、月-11.5%へ。 取引回数は1763回から543回へ。つまり『約定した』の7割は、ヒゲが一瞬かすっただけの幻でした。
しかも、単にゼロになるのではありません。はっきりマイナスに沈みます。 理由は残酷なほど単純で、ポジション(含み損)はそのまま積み上がるのに、こまごました利益の回収だけが止まるからです。 損は残り、稼ぎだけが消える。
良い数字が出たら『どの前提がその数字を作っているか』を、ひとつずつ外してみる。たいてい、いちばん疑っていない前提が犯人。
20を超える戦略、全滅。それでもこれは失敗ではない
この連載の裏側で、AIと一緒に20を超える戦略を検証してきました。結果は全滅です。 現実的な前提で利益の出るものは、私が触れた範囲にはひとつもありませんでした。
それでも、これを失敗だとは思っていません。 私は実弾を1円も入れていないからです。 『儲からない』ことを、お金を失う前に証明できた。これは損失ではなく、回避できた損失です。 そして今、『勝率100%・月8%』という言葉を聞いても、もう心臓は跳ねません。何が記録されていないかを、先に考えるようになりました。
バックテストには3つの罠がありました。 ①データの粗さ(粗いほど夢を見せる) ②コスト(軽く見積もるほど儲かって見える) ③約定(触れたら約定するという、現実には存在しない優しさ) このうち③が、いちばん見つけにくく、いちばん致命的でした。
相変わらず『稼げます』とは書きません。むしろ逆のことばかり書き続けた連載になりました。 でも、それが正直な記録です。 Botはまだデモで動いています。数字が変わったら、また追記します。
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