検索されていたのは「エラーメッセージの文面そのもの」だった。表示が7.8倍になった話
- 1.記事の表示回数が1か月で38回から298回へ、7.8倍になった
- 2.流入元は「こちら側のエラーにより画像を生成できませんでした chatgpt」という検索だった
- 3.その記事は、この文面を1文字も含んでいなかった。検索エンジンが意味で拾っていただけ
- 4.エラー文で検索する人は作業が止まっていて、解決するまでページを読む
- 5.各社ともエラー番号の意味を公開していないので、書くときは原因を断定せず対処手順だけを並べる
自社ブログの数字を眺めていて、おかしなことに気づきました。ChatGPTの画像生成について書いた記事の表示回数が、1か月で38回から298回へ、7.8倍に増えていたのです。何も手を加えていない記事でした。
何で読まれているのかを調べたら、思っていたのと違う検索語が出てきました。
こちら側のエラーにより画像を生成できませんでした chatgpt— Bing Webmaster Tools の検索クエリ(2026年10月7日計測)
画面に出たエラーの文面を、そのままコピーして貼り付けて検索している人たちでした。
その記事には、その文面が1文字も書かれていなかった
驚いたのはここです。該当の記事を開いて確認したところ、「こちら側のエラーにより画像を生成できませんでした」という文字列は、タイトルにも本文にも一度も出てきませんでした。
検索エンジンが、記事の内容(画像生成がうまくいかないときの対処)と検索語の意味が近いと判断して、拾ってくれていたということです。言い換えると、文面を書いていない状態でこれだけ表示されているなら、書けばもっと確実に拾われるはずです。
検索している人は、原因の説明より先に「自分が見ているこの文字」を探しています。ページを開いて同じ文面が目に入れば、ここに答えがあると分かる。逆に、どれだけ丁寧に解説していても、その文面がなければ読み手は確信が持てません。
実際にどんな文面が検索されているのか
検索候補の機能を使って、AI関連のエラー文がどれくらい検索されているかを調べました。以下はその一部です(2026年10月、日本語の検索候補から抽出)。
- 回答生成中に問題が発生しました。時間をおいて再度お試しください
- メッセージストリームでエラーが発生しました
- 不明なエラーが発生しました
- 申し訳ありませんが、そのリクエストにはお応えできません
- Hmm...something seems to have gone wrong
- この回答を停止しました
- 使用制限に達しました
- conversation not found
日本語の文面も、英語のまま出るものも混ざっています。共通しているのは、どれも画面にそのまま表示される文字だということです。番号だけのエラー(1076、1096、1099など)も同じくらい検索されていました。
エラー文で検索する人が、なぜ読み手として良いのか
理由は単純で、その人は今まさに手が止まっているからです。
- 作業の途中でエラーが出て、進めなくなっている
- 調べ物をしているのではなく、直したいだけ
- 解決するまで探し続けるので、ページをきちんと読む
- 書いた側からすると、何を書けばいいかが明確(直し方だけでいい)
一般的な言葉、たとえば「AI 便利な使い方」のような検索と比べると、読み手の目的がはっきりしています。曖昧な記事を書く余地がないぶん、こちらも迷いません。
それと、競合が手薄です。大手のメディアは「ChatGPTの使い方」のような大きな話題を押さえますが、特定のエラー文1つのために記事を作ることは少ない。公式のヘルプも、個別の文面まで説明していないことがほとんどです。
書くときに気をつけたこと:原因を断定しない
ここは失敗してから学びました。Geminiのエラー番号について記事を書いたとき、最初の原稿にはこう書かれていました。
1076・1096(入力コンテンツ系):入力の内容がフィルターに引っかかっている可能性が高い
公開後に調べ直したところ、この分類に根拠がありませんでした。Googleは番号ごとの意味を公開していません。他社の解説記事を見ても「通信の一時的な問題」「Google側の障害」などと分かれていて、一致していませんでした。つまり誰も正解を知らない状態で、うちだけが断定していたわけです。
すぐに書き直しました。今はこう書いています。
- 番号の意味は公式に説明が出ていない、と先に書く
- 番号から原因を決めつけず、どの番号でも効く手順を先に並べる
- 番号別に触れるときは「〜という報告が多い」と、出所の性質が分かる書き方にする
- 上限の回数やリセットの時刻など、公開されていない仕様を数値で断定しない
エラーで困っている人は、書いてあることをそのまま試します。間違った原因を断定して書くと、その人の時間を無駄にします。分からないことは分からないと書いたほうが、結果的に信用されます。
やったこと:既存の記事に文面を足した
新しく記事を書き起こすより先に、すでに表示が出ている記事へ文面を足しました。こちらのほうが早く結果が出ると考えたからです。
- 表示298回の記事に「こちら側のエラーにより画像を生成できませんでした」の節を追加
- 表示1,100回の記事に「この回答を停止しました」の節を追加
- どちらも原因は断定せず、再送・短縮・新しいチャットの順に試す手順を書いた
- 更新後、検索エンジンへ即時通知(IndexNow)を送った
新しい記事は評価がつくまで2〜4週間かかりますが、すでに表示されているページなら1〜2週間で動く見込みです。結果が出たら、またここに書きます。
同じことを自社でやる場合
難しい作業ではありません。順番はこうなります。
- 自社の商品やサービスで、ユーザーの画面に出るエラー文・警告文を書き出す
- 検索候補の機能で、その文面が実際に検索されているかを確かめる
- 検索されている文面を、見出しにそのまま書く
- 原因が公式に説明されていないものは、断定せず対処手順だけを書く
- すでにアクセスがあるページがあれば、新規作成より先にそこへ足す
自社システムやアプリを提供している会社なら、どんなエラー文が出るかは自分たちがいちばん詳しいはずです。サポートへの問い合わせ内容も、そのまま検索語の候補になります。
まとめ
- エラー文をコピーして検索する人は実在し、数も少なくない
- その文面を書いていなくても拾われることがある。書けばもっと拾われる
- 読み手は作業が止まっていて、解決するまで読む
- 競合が手薄なので、新しいサイトでも入り込める
- ただし原因の断定は禁物。公開されていない仕様を推測で書かない
この記事で使った数字は、Bing Webmaster Tools の実測値です。うちが毎日AIに記事を書かせている運用の全体像は、別の記事にまとめてあります。
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